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頼朝挙兵~鎌倉入り

 平治の乱を制して源氏を抑えた平氏は平清盛を棟梁として勢力を拡大。清盛は武士として初めて太政大臣にまで昇り詰めます。日宋貿易による莫大な富を背景に「平氏にあらずんば人にあらず」と言われた全盛時代を迎えます。頼朝が伊豆に配流となり17年を経た頃、権力を握り高倉天皇を擁する平氏と院政を目指す後白河法皇及び院近臣の関係は悪化、1177年(治承元年)法皇による平氏打倒の密議、鹿ヶ谷の陰謀を契機に関係は危機的な状況となります。1178年(治承2年)には高倉天皇の中宮となっていた平清盛の娘徳子が後の安徳天皇を出産、翌1179年(治承3年)には清盛による治承3年の政変が勃発します。軍事力を駆使し後白河法皇を幽閉したこの政変により約40名にのぼる反平氏の公卿や院近臣を排除、平氏の知行国は17か国から32か国となり「日本秋津島は僅かに66か国、平家知行国は30余か国、すでに半国に及べり」と平家物語に詠われる状態になる。後に挙兵する後白河法皇の第3皇子、以仁王も所領を没収されています。

 そしていよいよ頼朝が挙兵する1180年(治承4年)には清盛の子徳子の産んだ安徳天皇(2歳)が即位し、譲位した高倉天皇による院政が始まった。完全なる平氏の傀儡政権であり、ここに至って清盛を棟梁とする伊勢平氏一族は権力の絶頂に上り詰めるとともに、その専横から多くの反平氏勢力を結集してしまうことになります。

 1180年(治承4年)、以仁王の挙兵に始まる平氏打倒の戦いは全国的な内戦、治承・寿永の乱(1180-1185)へと発展していきます。挙兵した以仁王と源頼政は5月に敗死するものの、以仁王による平氏追討の令旨は源行家により全国に伝えられ、それを受けた頼朝は8月17日兵を挙げます。同日、伊豆国目代山木兼隆を滅ぼしたものの石橋山の戦いに敗れ真鶴から海路を安房国へと逃れます。上総介広常千葉常胤畠山重忠を加え大勢力となった頼朝軍は10月7日、源氏累代の地、鎌倉へと入ります。

 鎌倉入りした頼朝は、先祖頼義が勧請(1063年)した鶴岡若宮に参拝、義朝の館があった亀ヶ谷(現 寿福寺)を訪れます。頼朝義朝の館跡に御所を構える意向でしたが土地が狭かったため、御所候補地を探す事となります(最終的に大倉(現 西御門)に造成)。鎌倉を武家の都とすべく大庭景親に開府の準備を指示し、着々と準備を進めます。10月12日に鶴岡若宮を現在の地に移し、16日には関東へと向かう平氏の大軍を迎え撃つため鎌倉を出発、20日富士川において平氏と合戦となりこれを打ち破ります(富士川の合戦)。この戦には甲斐において挙兵した甲斐源氏の武田信義も合流しました。

 鎌倉に戻った頼朝はすぐさま常陸の佐竹秀義を攻めるため出陣、11月4日には秀義の本城金砂城を攻め落とします。これによって常陸国奥六郡を手中にした頼朝の元には叔父の志田義広、源行家や上野の新田義重など態度を保留していた源氏の諸将が集まります。富士川の合戦の勝利によって駿河、遠江を、佐竹攻略によって北関東を抑えた頼朝の鎌倉政権は最大のライバルであった木曾義仲を凌駕していきます。

 この頃頼朝は上洛を検討したものの取りやめています。鎌倉幕府の公式記録である『吾妻鏡』によると富士川の合戦の後、平維盛を追撃するため頼朝は上洛を命じましたが、千葉常胤上総介広常らが常陸国佐竹の残党など敵対兵力が未だ東国にあるためこれを平定してから西を攻めるべきと頼朝を諌め、頼朝はこれを聞き入れたと書かれています。京都か鎌倉か、頼朝の脳裏には2つの選択肢があったのかもしれません。この頃内乱は全国に飛び火し関東の頼朝、北陸道を進む木曽義仲、甲斐の武田信義という3つの源氏勢力が反平氏勢力としてほぼ同格に屹立しており、決して頼朝だけが武家源氏の棟梁として絶対的ではありませんでした。さらには平氏も未だ西国を中心に大勢力を形勢しており、このような情勢の中、最終的に頼朝は鎌倉に日本の武力を集権させた政権を築くという全く新しい形を選択していきます。

 同1180年(治承4年)12月には大倉の御所が完成、頼朝は311人もの御家人を従え御所に入ります。頼朝が鎌倉殿となった象徴的な日といってもよいでしょう。明けて1181年(養和元年)7月には現在の地に移された鶴岡若宮の社殿上棟式、1182年(養和2年)3月には鶴岡若宮の参道、段葛を造成するなど頼朝による鎌倉の基盤整備は進み、8月には嫡男頼家が誕生します。

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