宝戒寺

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宝戒寺

(ほうかいじ)

北条高時を供養する天台宗の名刹。花の名所でもあります

北条高時の菩提を弔うために後醍醐天皇が足利尊氏に命じて創建した天台宗のお寺さん。天台宗における関東の重要道場として位置づけられ、遠国四箇の戒場といわれました。また、萩を始めとした花々は季節毎に見事です。

エリア大町・小町
住 所鎌倉市小町3-5-22
宗 派天台宗
本 尊地蔵菩薩
創 建建武2年(1335年)
開 山円観
開 基後醍醐天皇
札 所鎌倉三十三観音第2番、鎌倉二十四地蔵尊第1番、鎌倉七福神(毘沙門天)
拝 観8:00〜16:30/100円
アクセス「鎌倉駅」下車、徒歩11分

宝戒寺は萩寺ともいわれます。秋に入った9月上旬~下旬まで境内は萩に覆われます。

宝戒寺は萩寺ともいわれます。秋に入った9月上旬~下旬まで境内は萩に覆われます。

鎌倉幕府の権力者、北条得宗家の菩提を弔うために倒幕を成し遂げた後醍醐天皇の命を受けて、足利尊氏が北条家の屋敷跡に創建した天台宗のお寺さんです。鎌倉には天台宗寺院が少ないので、杉本寺とともに貴重な存在といえます。

宝戒寺は本堂内にあがり御本尊の間近でお参りすることができます。本堂内は大まかに3つに仕切られています。
真ん中の壇は、中央に御本尊、子育経讀地蔵菩薩、右に梵天、左に帝釈天、左手前に水子地蔵。右の壇は閻魔大王、左の壇は観世音菩薩(鎌倉三十三観音霊場第2番)と毘沙門天(鎌倉七福神)。

天台宗はいわずとしれた最澄が開いた比叡山延暦寺を総本山とする宗派です。誤解を恐れず割り切って要約すれば、それまで鑑真和上が招来した仏教は修行者(僧侶)のみが悟りに到達できるというものでしたが(小乗戒の授与)、最澄は、これをいわば放棄する大乗戒を授与しました。

大乗戒は、僧侶であるか否か、どのような人であるか、ましてや男女や出家在家の隔てなく菩薩となることができるという革新的な大乗仏教(密教を含む)を日本に伝えた宗派です。ちなみに、菩薩とは神ではなく仏法を修めようと修行する人の姿です。自明のことながら仏教に神はいません。すべて人です。

開山の円観は、鎌倉時代後期から南北朝時代に活躍した天台宗の僧で、後鳥羽、花園、後醍醐、光厳、光明という5人の帝に戒をさずけたために「五国大師」と尊称されます。宝戒寺は、天台宗における「戒」(かい)を授かるための道場として、加賀白山の薬師寺、伊予の等妙寺、筑紫の鎮弘寺とともに遠国四箇(おんごくよんこ)の戒場といわれました。

宝戒寺の枝垂梅。

宝戒寺の枝垂梅。

このような汲みつくせぬような存在感とともに、宝戒寺は花や樹々を気分のままに楽しむことも出来るお寺さんです。萩寺の別名のとおり、萩はもちろんのこと、春には白木蓮(はくもくれん)、桜、無患子(むくろじ)、木瓜(ぼけ)、夏は睡蓮や百日紅(さるすべり)、秋には酔芙蓉(すいふよう)、萩、彼岸花、ホトトギス、ツワブキ、冬には水仙、椿、蝋梅(ろうばい)、梅、枝垂梅(鎌倉一の老木あり)など多くの花々が楽しめます。個人的には特に秋のツワブキやホトトギス、冬の枝垂れ梅、春の白木蓮などは風情あることこのうえありません。

鶴岡八幡宮三の鳥居前を右折し、突き当たったところに宝戒寺はあります。

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