旅館 對僊閣

(りょかん たいせんかく)

戦前の意匠を残す和風旅館

長谷寺の参道に對僊閣あり。鎌倉で泊まるなら風情のあるところがおすすめ。一歩足を踏み入れれば別世界です。高浜虚子がホトトギスの会を開き、与謝野晶子が宿泊した当時の雰囲気のままです。

エリア長谷・腰越
住 所鎌倉市長谷3-12-9
電 話0467-22-0616
料 金素泊¥6,500、1泊朝食付¥7,800
アクセス江ノ電「長谷駅」下車、徒歩3分

長谷寺の参道に佇む對僊閣。明治から長谷で旅館業を続けています。

長谷寺の参道に佇む對僊閣。明治から長谷で旅館業を続けています。

たまには泊まりでゆっくり鎌倉散策はいかがでしょうか? 東京から来られるなら、同じ1泊でも遠方旅行の1泊は味気ないけれど、鎌倉1泊なら手軽に贅沢気分になります。そして鎌倉で泊まるなら趣のあるところが良いですよね。

旅館 對僊閣は明治末期から120年以上旅館として続き、現在の建物は関東大震災後、昭和2年頃に建てられたものです。長谷寺の参道にあり、通れば必ず對僊閣が目につくはずです。一部改装が施されているものの、とてもよく戦前の和風旅館の佇まいを残している貴重な建物です。

對僊閣は創業以来、鈴木家によって営まれています。明治時代、大仏裏で宿屋を営んでいた鈴木カクさんは避暑に訪れる皇族・華族などの料理番として雇われ好評を博していました。そのうち鈴木家は長谷寺参道にも旅館を開業、繁盛しますが関東大震災により全壊。1927年(昭和2年)頃に長谷寺参道の旅館が再建され現在に至っています。

古い建物を利用して最近の企業が営業しているのではなく、明治末期の旅館としての始まりから同じ鈴木家が営んでいるため、抜群の趣です。昭和6年生まれの女将、鈴木サエ子さんは御年80歳にはとても見えない矍鑠として上品な御夫人で、自ら昔自慢をするような方ではありませんので、こちらから無理に歴史を感じるエピソードを伺ってみました。

「近くに住んでいた高浜虚子さんがよくホトトギスの会をここでやってました。1週間くらい続いていたように記憶しています」、「昭和の初めに与謝野晶子さんが何度か2泊程宿泊されました」、「島崎藤村の奥様は毎年こられまた。長身できれいな方でした」などなど風情あるお話が聞けました。

旅館の歴史もエピソードも、当事者だからこそ趣が醸し出されるというものです。企業が買い取って営業、ではこの価値は出せません。

建物として特徴的なのは7つの絵様肘木風の持ち送り板で支えられた正面の高欄です。高欄、持ち送り板、欄間窓、格子窓が独特の雰囲気を醸し出し、長谷寺の参道に風情を添えています。内部も改装が施されているものの戦前の雰囲気がほぼそのまま残されていますから、鎌倉散策にはうってつけの名旅館です。

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