秋津島の心と形
秋津島の心と形
毎年春に開催される鎌倉祭りの人気イベント、静の舞。謀反人として逃亡を続ける義経を想い頼朝の前で舞った静御前という歴史の物語は800年以上経ったいまでも人々を惹き付けます。
義経と静御前の物語以上に我々を惹き付けるのは、惨たらしい近代建築に進駐された現在の街にこつ然と現れた秋津島の心と形。脈々と受け継がれた鶴岡八幡宮という神の杜を古の衣装を纏って舞う姿は、「義経」や「静御前」という名などなくとも、すんなりと我々日本人の心に入ってくる形なのです。
かの文化人類学者クロード・レヴィ・ストロースは日本についてこう語っています。「世界で唯一、神話と歴史がつながる国だ」。
詩人のラビンドラナート・タゴールの言葉も頭をよぎりました。「日本人の眼と手は、いずれも自然から美の手ほどきを受けたのである」。
撮影協力:公益社団法人 鎌倉市観光協会