135_kokujyouji_27
国上寺、本堂(阿弥陀堂)の絵巻。西の面「五鈷杵掛けの松 名手笛奏之絵巻」
「現在は枯れてしまっている伝説の「五鈷杵掛けの松」を生き生きと復活させ、国上寺を能舞台に見立てて描きたいという思いがありました。巨木は古くより日本絵画の定番のモチーフであり、由緒ある五鈷杵掛けの松に腰掛けて、まったり憩う弁慶と謙信を描きました。上杉謙信と源義経はともに笛の名手であったと言われています。ある日、謙信は病に倒れた恋人を想い、義経は愛妾静御前を想い、それぞれ笛を奏でました。しかし、主君である義経を、弁慶はおいそれと肩を抱いて慰めることはできません。そこで、謙信の肩を抱き、やさしく慰めてあげたのでは、と空想しました。」(木村了子)