延命寺
目 次
延命寺
(えんめいじ)
鎌倉幕府 第5代執権 北条時頼夫人の建立
一見観光らしくないですが、北条時頼夫人創建の古刹です。鎌倉二十四地蔵尊の身代り地藏や、古狸の墓、四十七士とのゆかりなどの見所があります。
エリア由比ガ浜・材木座
住 所鎌倉市材木座1-1-3
本 尊阿弥陀如来
開 山専蓮社昌誉能公上人
開 基北条時頼夫人
創 建13世紀中頃?
アクセスJR「鎌倉駅」下車、徒歩5分
札 所鎌倉三十三観音第11番、鎌倉二十四地蔵第23番
東逗子駅(神奈川)
鎌倉時代より続く浄土宗の寺院
浄土宗の延命寺は下馬四ツ角を大町方面にゆき、横須賀線踏切の手前にあります。川と若宮大路に挟まれ、コンクリートの地面に本堂と墓、社務所があり、有り体にいえば一見あまり観光らしさはないお寺です。/p>
ただし、名執権といわれ、建長寺を創建した鎌倉幕府第5代執権北条時頼(1227〜1263)の夫人が建立しました。夫人ということしかわかりませんが、北条時頼の正室は毛利季光の娘、北条重時の娘が継室、讃岐局が側室ですからこのいずれかなのでしょう。/p>
身代り地藏が有名
言い伝えによれば運慶作の身代り地蔵には、北条時頼夫人に関する逸話があります。ある日、時頼夫人が双六勝負で賭けをして遊んでいると、夫人の旗色が悪く困っていました。何とかならないものかと、心の中で一心にお地蔵様を念じたところ、不思議なことに、お地蔵様が女の姿になって双六の上に立ち現れて夫人を救ったといわれています。
それ以来、自分の身代わりとなり苦しい立場を助けてくれたお地蔵様ということで、時頼夫人はこれを守り本尊として深く信仰しました。地元の人々もこのような話から身代り地蔵様といって敬い、言い伝えにちなみいつも双六の上に安置されています。現在でも鎌倉二十四地藏の第23番として信仰をあつめています。
本堂には右に弥陀三尊・両大師、中央に御本尊である阿弥陀如来坐像と聖観世音菩薩立像、左に身代り地蔵尊があります。中央の聖観世音菩薩立像は鎌倉三十三觀音の第11番となっています。
四十七士とのかかわり
また、この延命寺は仇討ちで有名な赤穂四十七士の一人、岡崎八十右衛門の子が出家して住職になったという言い伝えがあります。
古狸の墓
このお寺で一番気に入っているお話は、狸の話です。いつのころか、延命寺と教恩寺に住み、お酒の好きな延命寺の和尚のために酒を買いに行ったりしたという古狸がおり、この古狸が死ぬと、弔って墓を建てたといいます。その墓がいまでも残っています。
延命寺の辺りは市街地化しすぎて狸はいきられませんが、鎌倉は浄智寺など山がある程度深い場所であれば寺社でも狸に出会います。筆者が育った浄明寺の家にはごく普通に狸がいました。狸がよいのは寒い季節です。春に毛が抜けると犬のようでイメージに会いません。