称名寺

目 次

称名寺

しょうみょうじ

金沢北条氏一門の菩提寺

金沢北条氏の祖、北条実時の創建。鎌倉らしい海に近い大寺院。浄土庭園に和みます。

称名寺、浄土庭園

称名寺、浄土庭園

エリア横浜
住 所神奈川県横浜市金沢区金沢町212
宗 派真言律宗
御本尊弥勒菩薩
創 建13世紀中頃
アクセスシーサイドライン「海の公園南口駅」もしくは「海の公園柴口駅」より徒歩10分、または京急線「金沢文庫駅」より徒歩12分 ※駐車場はありません。

称名寺境内略図

称名寺境内略図

鎌倉らしい海に近い大寺院

都市鎌倉を支えた六浦港の近くに金沢山 称名寺はあります。金沢北条氏の祖、北条実時(1224〜1276)が開きました。正確な創建年は定かではありませんが、実時が六浦の屋敷内に建てた持仏堂が始まりとされ、第15代執権を務めた孫・貞顕の時代に全盛期を迎えました。北条実時は日本最古の武家文庫「金沢文庫」を創健したことでも有名です。同文庫は現在県立金沢文庫として引き継がれ、博物館として称名寺に隣接して営業しています。

海が近いことは、鎌倉の大きな魅力。称名寺、光明寺、長谷寺といった潮風の香る大寺院は鎌倉らしい場所といえるでしょう。昔からある社寺や史跡はどのあたりまで海岸線だったのだろうかと考えさせてくれます。

鎌倉時代の海面は現在より2〜3m高く、称名寺の北西、現在の金沢文庫駅から金沢八景駅の少し北側あたりまでは海だったようです。ということは、称名寺は東西を海に囲まれ、少し内側に引っ込んだような場所にあったことになります。海が入り込んだ当時の「金沢八景」はさぞ美しい景色だったでしょう。一度で良いから近代建築の一切ない鎌倉を見てみたいものです。

浄土庭園に癒やされます

称名寺のあたりを久しぶりに歩いてみたくなり、車は置いて電車に乗り京浜急行「金沢文庫駅」で下車、徒歩で称名寺に向かいました。10分ほどのんびりと歩くと到着。朱塗りの赤門をくぐり、桜並木の参道を抜けると仁王門があります。仁王門の仁王像は鎌倉時代に作られたもので、高さ4mの立派なものです。

称名寺仁王門

称名寺仁王門

称名寺、仁王像

称名寺、仁王像

仁王門までいけば、浄土庭園が見えてきます。阿字ヶ池を中心に中之島・反橋・平橋が配され、池越しに金堂、釈迦堂、鐘楼があり、向こうには金沢三山(金沢山、稲荷山、日向山)があります。源頼朝が奥州合戦の戦死者を弔うために二階堂に建てた永福寺もきっとこんな雰囲気だったのではないかと想像が膨らみます。永福寺は中尊寺の大長寿院を模した寺院でしたが、近いものはあったのではないでしょうか。

称名寺、浄土庭園

称名寺、浄土庭園

称名寺、浄土庭園の反橋

称名寺、浄土庭園の反橋

背後の山には北条実時の墓や八角堂もあり本堂に参拝した後、森の中を散策がてら見物するのはとても良い気分です。称名寺は四季の花木も適度に配されています。最近訪れたのは初夏でしたので、黄菖蒲がきれいでした。他にも春は桜、秋は紅葉が楽しめます。池の周りには腰掛けが設置されており、浄土庭園を眺めつつゆっくり過ごすことができます。

称名寺、境内。北条実時御廟へと向かいます。

称名寺、境内。北条実時御廟へと向かいます。

称名寺、北条実時御廟

称名寺、北条実時御廟

慈しみの菩薩様

御本尊の弥勒菩薩は釈尊(ゴータマ・ブッダ)の次にブッダになる未来仏。真言は「オン・マイタレイヤ・ソワカ」。「マイタレイヤ」とはサンスクリット語の音写で「慈しみ」を意味します。慈しみの菩薩様。良い御名前です。マイタレイヤと唱えているだけで穏やかな気持になります。言葉というのは大切ですね。

女性に「愛している」というのを男性が恥を知って言わないと「シャイだね」などとわかったような口をきく人がいます。「愛しているよ」というのは「文化」などと一緒で、明治に西洋の言葉を邦訳した時に入ってきたのですから、言葉が浮かれているのです。言葉の安っぽさを感じて男性が言わないのは知性のある証拠。「慈しむ」という昔から身についた逞しい言葉を使ってはどうかと思います。

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