獅子舞の紅葉
目 次
獅子舞の紅葉
野性味溢れる、紅葉の谷
ハイキングコース内にある紅葉の名所。山中の谷を包み込むように紅葉が覆い被さってくる迫力が圧巻。
エリア北東
住 所今泉5丁目付近
アクセスJR鎌倉駅より徒歩40分
静かな紅葉スポット
獅子舞はハイキングコース内にある紅葉の名所です。天園ハイキングコースの天園休憩所を瑞泉寺方面に降りてくると途中にあります。
紅葉を楽しむ場合、山や谷戸にある寺社や源氏山公園のように整備された山で見ることが多いです。これは、紅葉は下や遠くからばかりではなく、水平かやや上から紅葉を見られるようにするためでしょう。
獅子舞の紅葉はほぼ下から見上げる形になりながらも、自分を包み込むように色づいているため、下から目線でも十分に名所と呼べる感慨を与えてくれます。一応紅葉を上から見られるように山を登る測道が作られていますが、上からだと他の木が邪魔になります。
獅子舞という名の由来
獅子舞という印象的な名が心の残った人は多いと思います。これはどこから来たのかと調べてみると、黄門様で名高い水戸光圀が編纂し1685年(貞享2年)に刊行された元祖鎌倉ガイドともいえる『新編鎌倉志』に記述がありました。まずは引用します。
「獅子巖
獅子巖(ししがん)は、永福寺舊跡の北、山の嶺(みね)にあり。巖(いは)の形(かたち)獅子の如くなる故に名く。『護法録』に云、浦江縣の東南三十五里に有山(山有り)。俗其形蹲踞して、獅子(しし)の如なるを以て、獅子岩(ししがん)と云ふ。異國・本朝、事相ひ似たり。俚語(りご=俚言=里人の言葉)に、二階堂(みかいだう)の獅子舞(ししまひ)の峯(みね)と云なり。
昔は永福寺の内なり。永福寺の内に、二階堂有て、繁昌の時は、寺内廣(ひろく)して、此の邊より遙(はる)か東南の村(むら)までを、今に二階堂村(みかいだうむら)と云なり。此獅子巖より南の方、永福寺の礎石の有所を考へ見るに、『東鑑』に、正嘉元年(1257年)八月十八日、陰陽師等、未明(びめい)に西御門(にしみかど)の山に登て見れば、時に殘月在西(時に殘月西に在り)。日出東(日は東に出づ)。彼れ是れ方角を糺(ただ)せば、最明寺(さいみやうじ)永福寺は、卯酉(うとり)に相ひ當り、大慈寺と最明寺とは、辰戌(たついぬ)に相ひ當ると有。
今我が相公の命(めい)を銜(ふく)んで、此の志(こころざし)編纂(へんさん)のために此地に來り、彼の山上に登り方角を見れば、賓に此獅子巖(ししがん)の山の南の方と、禪興寺(ぜんこうじ)とは、正東西に相ひ當るなり。」
永福寺旧跡の北にある山の嶺に獅子の形をした岩があり、地元では「二階堂の獅子舞の峯」といわれているとあります。ここに「獅子舞」の名がでてきました。さらに永福寺創健なる時にはその内であったことも書かれています。
獅子舞へのルート
鎌倉駅から徒歩で行く場合は鎌倉宮から瑞泉寺を目指して進み、永福寺跡の石碑を過ぎたら橋の前を左へと曲がります。歩いていくといくつか道が左右にわかれていますが、ずっと右へ進んでください。ハイキングコースへと入ることができます。
ハイキングコース入口から15分くらい歩くと紅葉の名所に到着です。山中のハイキングコースですから、トレッキングシューズとまでは言いませんが、スニーカーなど多少滑りやすい山道でも歩きやすい靴を選んでください。
紅葉の谷、獅子舞を過ぎてしばらく登ると天園ハイキングクースに入ることができます。