見所

円覚寺
鎌倉最大級の寺院。建長寺とともに当時最先端だった禅宗における日本の中心地となりました。創建は1282年、元寇を撃退した執権北条時宗が双方の戦死者を弔うために建立しました。広い境内にはいくつもの建物があり、多くの見所を含んでいます。右手の墓所を抜けた山上には国宝の梵鐘があり、これは普通の鐘のようにいつでも間近に見ることができます。妙香池の向うには国宝の舎利殿があります。通常、近づいくことはできませんが、遠くから見ることができます。御本尊の大きな宝冠釈迦如来はいつでも拝むことができ、ありがたいかぎりです。梅や紅葉を始め四季の花木も美しいものがあります。詳しくは上記寺名のリンクから詳細ページをご覧ください。

東慶寺
女人救済の「駆け込み寺」として、鈴木大拙を輩出した寺院として名高い東慶寺。紅葉の美しさもさることながら、圧巻なのは梅。参道に入るとすぐに見える山門の両側に覆うように咲き、境内に入ると100本以上もの梅が左右に並び、梅林奥の松岡宝蔵も見所です。西田幾多郎、小林秀雄、前田青邨の墓所でもあります。現在は男僧の臨済宗の寺院となっています。詳しくは上記寺名のリンクから詳細ページをご覧ください。

建長寺
鎌倉五山第一位、武家政権の権威をも象徴する大寺院です。北条執権政治の黄金時代ともいえる第５第執権北条時頼が蘭渓道隆を招いて創建しました。大伽藍はどこも見所です。大きな三門、2.4mの御本尊地蔵菩薩を安置する仏殿、小泉淳作氏による雲竜図が天井に描かれた法堂など挙げればきりがありません。境内奥には半僧坊があり、天園ハイキングコースへと繋がっています。詳しくは上記寺名のリンクから詳細ページをご覧ください。

鶴岡八幡宮
1063年、源頼朝から遡ること４代、頼朝が崇敬すべき祖先とした源頼義（988-1075）が由比ケ浜に河内源氏の氏神岩清水八幡宮を勧請したことに始まる、「武門源氏と鎌倉」の象徴的な神社（元々は神仏双方があった）です。1180年に鎌倉入りした源頼朝が現在の地に移し、鎌倉の中心として整備しました。花木を見るなら源平池他の桜と神苑牡丹園の寒牡丹がメインです。

東慶寺以外の候補

明月院
成就院とならぶ鎌倉のあじさい寺。御本尊である観音様の女性性に導かれたような優美なお寺です。あじさいの季節には菖蒲園の花菖蒲も咲き、隅々まで行き届いた境内に美しく咲きます。さらにこの上最もおすすめは紅葉。観音様に包まれているかのような錯覚に陥る場所になります。円覚寺から建長寺に向かう道の途中、少し左に入っていくと明月院があります。

浄智寺
往時には500人もの関係者が行き交ったという鎌倉五山第四位の寺院。門前の甘露ノ井をみつつ鎌倉石の階段を登って本堂へと向かいます。時たま狸にも出会う豊かな山間に佇みます。

〈王道〉北鎌倉、鶴岡八幡宮、小町通り

北鎌倉駅。鎌倉の山々と秋の風情。

小津安二郎の映画にも度々登場した北鎌倉駅。円覚寺に行くには下りホームの出口専用改札から出ます。

総門をくぐると、壮麗な三門が見えてくる。円覚寺の大きさ、深さを感じさせられる一瞬。

奥に見える美しい屋根の建物が国宝・舎利殿。源実朝が中国より請来した佛舎利を安置するお堂。唐様建築の典型的な建築物です。

選仏場の前。仏教様式の建物と梅はとてもよくあいます。近代建築はまだまだ幼稚で無粋な風情だと思ってしまいます。

境内左側は仏殿の左から奥迄紅葉が続きます。

百観音。

東慶寺はちょうど線路と道路を挟んで円覚寺の反対側あたりにあります。駆け込み寺として有名です。

東慶寺は北鎌倉随一の梅の名所です。通りを曲り山門が見えてくると山門の前と山門から覗く境内に梅が咲き誇り、絵のようです。

東慶寺。北鎌倉人気１番の名所。門の付近から数十本の梅が参道の両側に整然と並びます。

お釈迦様も梅化粧です。

東慶寺本堂の前に豊かな紅。ほれぼれします。

建長寺三門前の桜は絶景。鎌倉の桜景色を代表するものの一つです。

三門（三解脱門）。空、無相、無作を表します。この三門をくぐることによってあらゆる執着から解放されることを意味します。また、建長寺があらゆる修行者に開かれている事を表しています。楼上には五百羅漢を安置しています。建物は江戸時代（1775年）に再建されました。

建長寺三門の額には建長興國禅寺の文字。

開基・北条時頼、開山・蘭渓道隆による衆生済度の願いが込められた御本尊・地蔵菩薩を安置した仏殿。現在の建物は４代目。徳川秀忠夫人の霊屋（みたまや）を1647年に芝の増上寺から譲り受けたもの。

1814年に建てられた法堂（ほっとう）は鎌倉最大級の木造建築です。千手観音坐像とパキスタンから贈られた釈迦苦行像のレプリカを安置しています。

仏殿内部。霊屋（みたまや）として建てられたため、格天井（ごうてんじょう）など禅宗仏殿としては珍しい造りになっています。

建長寺御本尊、地蔵菩薩。高さ2.4mの立派な御姿をしています。

開山の蘭渓道隆手植えのビャクシン。樹齢750年にもなる大木です。

法堂の天井には鎌倉出身の日本画家／陶芸家、小泉淳作氏の雲龍図が描かれています。小泉氏は建仁寺の双龍図や東大寺の襖絵などを手がけました。

舞殿と本宮。散歩するにも写真を撮るにも朝一番がベスト。

大銀杏が倒れ、この角度から本殿が写るようになりました。

本宮。ここから奥は撮影禁止です。

源平池の桜。「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」ということわざがあります。まさに奔放に水面すれすれまで逞しくのびています。

年に数回開催される流鏑馬神事。源義家の兄弟、源義光を祖とする武田氏から繋がる武田流です。

義経を想って舞った静御前を偲んで春の鎌倉まつりにて行われる静の舞。本殿前の舞殿にて行われます。

源頼朝、実朝が祀られた白旗神社。日本史上類い稀な英傑・頼朝公に必勝を、歌の名手・実朝公に学業成就を祈りましょう。

小町通りを通って鎌倉駅へ。昔と違って風情は薄くなりましたが、すっきりとしました。