青梅聖天社

目 次

青梅聖天社

(おうめせいてんしゃ)

歓喜天を祀る珍しい社

巨福坂切通し(民家があり通行はできません)の側にある青梅聖天社は、南北朝期につくられた双身歓喜天を祀ります。

エリア駅周辺・八幡宮
住 所鎌倉市雪ノ下2-6
本 尊双身歓喜天
創 建不明
文化財双身歓喜天(鎌倉市指定文化財)
アクセス「鎌倉駅」より徒歩15分

青梅聖天社。小さな御堂があります。

青梅聖天社。小さな御堂があります。

鶴岡八幡宮左手の巨福呂坂へと向かう道、「里のうどん」を過ぎてすぐ左の道に入り、しばらく歩くと左手に鳥居が見えてきます。

本尊の双身歓喜天は南北朝時代の作とされ、男神と女神が相抱き正立して顔を見つめ合う珍しい像です。『新編鎌倉志』にはこのように書かれています。

「鎌倉ノ将軍一日疾劇(やまいはなはだ)シフシテ、時ナラズ青梅ヲ望マル、諸所ヲ尋ヌルニ、此宮ノ前ニ青梅実ノル、是ヲ将軍ニ奉テ、終ニ疾癒(やまいいえ)ヌ」。ここから青梅聖天と呼ばれるようになりました。

歓喜天は仏教の守護神である天部の一つです。象の頭に人の身体をして立像で抱擁している事が多いですが、この社のように人の頭、身体である場合もあります。日本仏教では珍しい歓喜天の像は男神、女神が抱擁し合う形であるため秘仏とされ公開されることはあまりありません。

元来は諸願成就、一般的には夫婦和合に利益有りといわれますが、峠を往来する人々の旅の安全を願ってこの地に創建されたと考えられています。

『新編鎌倉志』(江戸時代につくられた元祖鎌倉ガイド)の記述

靑梅聖天
靑梅聖天(あをむめのしやうでん)は、雪下(ゆきのした)より小袋坂(こふくろさか)へ登る左に小坂(こさか)あり。巖窟(いはや)の内に聖天の宮(みや)有。故に坂(さか)を聖天坂と云ふ。是を靑梅(あをむめ)の聖天と云事は、俗に傳ふ、鎌倉の將軍、一日疾(やま)ひ劇(はなは)だしふして、時ならず靑梅を望(のぞ)まる。諸所を尋ぬるに、此宮の前に俄(には)かに靑梅實(み)のる。是を將軍に奉て、終に疾(やま)ひ愈(い)へぬ。故に名くと。

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