円応寺
目 次
円応寺
(えんのうじ)
閻魔王を祀るお寺さん
北鎌倉、建長寺の向かいにある円応寺は、閻魔王を祀るお寺さんです。最初の人間と最古のインド聖典に記される「ヤマ」が転じた閻魔王。日本では死者の裁きを行う裁判官の長として有名です。
エリア北鎌倉
住 所鎌倉市山ノ内1543
宗 派臨済宗集建長寺派
本 尊閻魔王
創 建1250年
開 基智覚禅師
文化財等木造閻魔王坐像(国重文)など
北鎌倉、建長寺の向かいにある円応寺は、閻魔王を祀るお寺さんです。最初の人間と最古のインド聖典に記される「ヤマ」が転じた閻魔王。日本では死者の裁きを行う裁判官の長として有名です。
神奈川県鎌倉市山ノ内1543
建長寺の向かいにある臨済宗建長寺派の閻魔王をお祀りするお寺さんです。建長寺から鶴岡八幡宮、小町通り、鎌倉駅というコースを歩いているであろう団体さんが、建長寺を出てすぐに「あれ、何だろう」とみているのをよく目にします。
円応寺は、最初大仏の側に建てられ、材木座の滑川沿いに移転したそうです。1703年の元禄大地震により建物が倒壊し、その後現在地に移転しました。小高い位置にある小さいお寺さんです。大きな閻魔王像がどっしりとあり、シンプルに閻魔王を御参りするという感じです。
円応寺は死後の冥界を支配する十王を祀っています。その主、閻魔王は、そもそも古代インドの聖典『リグ・ヴェーダ』(紀元前18世紀からの内容を含み、紀元前12世紀に現在の形に編纂)に登場する「ヤマ」を起源としています。ヤマは最初の人間として生まれ、最初に人間として死に、死後は楽園の主となりました。
これが中国に入って、様々な解釈を与えられ、十王思想となりました。日本には鎌倉時代に入ってきたそうです。十王とは、仏教や道教において、地獄の審判を行う裁判官のような王たちです。鎌倉時代、その王たちに仏をあてました。
- 秦広王(しんこうおう/不動明王)
- 初江王(しょこうおう/釈迦如来)
- 宋帝王(そうていおう/文殊菩薩)
- 五官王(ごかんおう/普賢菩薩)
- 閻魔王(えんまおう/地蔵菩薩)
- 変成王(へんじょうおう/弥勒菩薩)
- 泰山王(たいざんおう/薬師如来)
- 平等王(びょうどうおう/観音菩薩)
- 都市王(としおう/勢至菩薩)
- 五道輪転王(ごどうりんてんおう/釈迦如来)
その後、日本では十三仏信仰となり独自の発展を遂げました。円応寺の閻魔王「木造閻魔王坐像」は運慶作と伝わり、国の指定重要文化財となっています。
仏教はいろいろなものが出てくるので、ちょっとわかりにくいときがありませんか? 禅宗のお寺さんにある閻魔王もそんな感じではないでしょうか。仏教というのは、キリスト教やイスラム教のようにひとつの聖書以外認めないというものではなく、その展開が多様なためなかなか全体を把握するのは難しいものがあります。
いずれ、コラムにて「明解! 仏教って何?がわかる1,000字コラム」なんかをやってみたいと思います。