〈巡礼〉鎌倉三十三観音霊場めぐり

目 次

〈巡礼〉鎌倉三十三観音霊場めぐり

観音様の变化に由来する三十三観音霊場巡礼。鎌倉の場合は旧鎌(旧鎌倉町)に集中しているため、ありがたいことに大変巡りやすくなっています。

三十三観音霊場巡りは12世紀の「西国三十三観音」に始まります。「鎌倉」に関わるものとしては本稿の「鎌倉三十三観音霊場」の他、源頼朝が発案し13世紀に成立したと伝わる「坂東三十三観音」、源義経の家臣 鈴木重家が三十三箇所の霊場にて祈願し大飢饉を救ったのを起源とする「三浦三十三観音」などがあります。

「鎌倉三十三観音霊場めぐり」は旧鎌倉町(旧鎌)の寺に限られていることから、距離が近く巡りやすいのが特長。地図を見ていただければわかるように、最も東にある明王院から最も西にある極楽寺まで約6km,同じく南北(光明寺〜円覚寺)は約5kmとコンパクトにまとまっています。寺社が集中している鎌倉ならではの有難い利便性です。

各寺院の一覧です。寺名をクリックするとお寺の個別記事が表示されます。

  • 第1番 杉本寺(十一面観音)…二階堂903
  • 第2番 宝戒寺(准胝(じゅんてい)観音)…小町3-5-22
  • 第3番 安養院(千手観音)……大町3-1-22
  • 第4番 長谷寺(十一面観音)…長谷3-11-2
  • 第5番 来迎寺(如意輪観音)…西御門1-11-1
  • 第6番 瑞泉寺(千手観音)……二階堂710
  • 第7番 光触寺(聖観音)………十二所793
  • 第8番 明王院(十一面観音)…十二所32
  • 第9番 浄妙寺(聖観音)………浄明寺3-8-31
  • 第10番 報国寺(聖観音)………浄明寺2-7-4
  • 第11番 延命寺(聖観音)………材木座1-1-3
  • 第12番 教恩寺(聖観音)………大町1-4-29
  • 第13番 別願寺(魚藍(ぎょらん)観音)…大町1-11-4
  • 第14番 来迎寺(聖観音)………材木座2-9-19
  • 第15番 向福寺(聖観音)………材木座3-15-13
  • 第16番 九品寺(聖観音)………材木座5-13-14 ※1
  • 第17番 補陀洛寺(十一面観音)…材木座6-7-31
  • 第18番 光明寺(如意輪観音)…材木座6-17-19
  • 第19番 蓮乗院(十一面観音)…材木座6-16-15
  • 第20番  千手院(千手観音)……材木座6-12-8
  • 第21番 成就院(聖観音)………極楽寺1-1-5
  • 第22番 極楽寺(如意輪観音)…極楽寺3-6-7
  • 第23番 高徳院(聖観音)………長谷4-2-28
  • 第24番 寿福寺(十一面観音)…扇ガ谷1-17-7 ※2
  • 第25番 浄光明寺(千手観音)…扇ガ谷2-12-1
  • 第26番 海蔵寺(十一面観音)…扇ガ谷4-18-8
  • 第27番 妙高院(聖観音)………山ノ内9 建長寺内
  • 第28番 建長寺(千手観音)……山ノ内8
  • 第29番 龍峰院(聖観音)………山ノ内101 建長寺内
  • 第30番 明月院(聖観音)…山ノ内189
  • 第31番 浄智寺(聖観音)………山ノ内1402
  • 第32番 東慶寺(聖観音)………山ノ内1367
  • 第33番 仏日庵(十一面観音)………山ノ内434 円覚寺内
  • ※1:要事前連絡 0467-22-3404
    ※2:要事前連絡 0467-22-6607

上記のように東西約6km,南北約5kmに集中していますから、順番通りにいくもよし、小町、大町、材木座など行政区分を目安に回るもよし、その日の気分や都合で決めるのもよしでしょう。ただ、結願印を押してくれる33番目の仏日庵(円覚寺)は最後にしましょう。

巡礼ルートガイド

一応、廻りやすいように次の5つのエリアに分けて、それぞれルートを考えます。エリアごとにできるだけ札番を尊重しつつ、近いお寺から並べました。

〈1〉金沢街道(二階堂・十二所・浄明寺)
JR・江ノ電「鎌倉駅」→(徒歩12分)→宝戒寺→(徒歩12分)→来迎寺→(徒歩26分)→瑞泉寺→(徒歩25分)→杉本寺→(徒歩5分)→報国寺→(徒歩5分)→浄妙寺→(徒歩13分)→明王院→(徒歩7分)→光触寺→(光触寺近くの「十二所」バス停よりバス乗車)→JR・江ノ電「鎌倉駅」

〈2〉駅周辺(大町・小町・扇ガ谷)
JR・江ノ電「鎌倉駅」→(徒歩8分)→教恩寺→(徒歩3分)→別願寺→(徒歩1分)→安養院→(徒歩21分)→寿福寺→(徒歩10分)→浄光明寺→(徒歩11分)→海蔵寺→(徒歩17分)→JR・江ノ電「鎌倉駅」

〈3〉海岸方面(由比ヶ浜・材木座)
JR・江ノ電「鎌倉駅」→(徒歩6分)→延命寺→(徒歩11分)→向福寺→(徒歩5分)→来迎寺→(徒歩6分)→九品寺→(徒歩4分)→補陀洛寺→(徒歩5分)→光明寺→蓮乗院(光明寺)→千手院(光明寺)※蓮乗院と千手院は光明寺子院につき光明寺山門のすぐ近く。→(徒歩25分、もしくは光明寺前からバス)→JR・江ノ電「鎌倉駅」

〈4〉長谷・極楽寺
江ノ電「長谷駅」→(徒歩5分)→長谷寺→(徒歩8分)→高徳院→(徒歩15分)→成就院→(徒歩3分)→極楽寺→(徒歩すぐ)→江ノ電「極楽寺駅」

〈5〉北鎌倉
JR「北鎌倉駅」→(徒歩16分)→妙高院(建長寺内)/建長寺/龍峰院(建長寺内)→(徒歩12分)→明月院→(徒歩7分)→浄智寺→(徒歩6分)→東慶寺→(徒歩すぐ)→仏日庵(円覚寺)→(徒歩すぐ)→JR「北鎌倉駅」

観音様とは?

せっかく三十三観音霊場を巡礼するのですから、観音様についてもある程度知っておきたいところです。

観音様は観音菩薩のことで、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)、観自在菩薩(かんじざいぼさつ)、救世菩薩(くせぼさつ)とも呼ばれます。「菩薩」というのは、成仏して如来となることを目指す修行者のことです。「如来」とは、解脱成仏した釈迦を指す十の名称(十号)の一つです。

如来は、解脱した仏として仏教の教えや悟りそのものとして敬われ、菩薩は修行者ですからもう少し身近な存在として尊敬されているといったところでしょうか。菩薩には未来において我々を救う弥勒菩薩、知恵を司る文殊菩薩、地を司り子供を救う地蔵菩薩などがあります。

観音菩薩は智慧により観照して自在の妙果を得、大慈大悲を持って我々衆生を救済する菩薩様です。妙法蓮華経(法華経)に「あまねく衆生を救うため三十三の姿に化身すると書かれており、これが「三十三」という数字の由来です。

变化する観音さまですから、「鎌倉三十三観音霊場」の各寺の観音様も、「聖観音」(しょうかんのん)、「千手観音」、「如意輪観音」など様々な御姿をした観音像があります。「聖観音」というのは变化した御姿ではなく、基本となる一面ニ臂の人間的な御姿をした観音菩薩の佛像のことをいいます。

観音様、というと日本では女性性を感じさせますが、祖国インドにおける観音菩薩は男性であり、本来の言葉(サンスクリット語)では「貴族や勇者」を意味する男性名詞だそうです。

鎌倉三十三観音霊場 フォトギャラリー

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