長谷寺

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長谷寺

(はせでら)

見所多い観音霊場。9メートル超の観音様は圧巻

山を利用して立体的に構成された境内は随所に見所を配置し、きれいに整えられた樹々、紅葉のライトアップなど鎌倉の西方極楽浄土といった風情です。

エリア長谷・腰越
住 所鎌倉市長谷3-11-2
宗 派浄土宗
本 尊十一面観音
創 建736年
開 山徳道
開 基藤原房前
札 所鎌倉三十三観音第4番
文化財等梵鐘、十一面観音懸仏6面(重文)
アクセス江ノ電「長谷駅」下車、徒歩5分

9メートルを超える巨大な木造十一面観音像が安置された本堂。

9メートルを超える巨大な木造十一面観音像が安置された本堂。

高さ約9メートルという日本最大級の木造十一面観音を御本尊とする浄土宗のお寺さん。

小さな山をひとつ使って立体的に造られた伽藍はとてもよく整備され、境内には鎌倉の海をのぞむ眺望のよい食事処があり、紅葉の季節にはライトアップの演出を施すなど、工夫も凝らされています。季節の花木は鎌倉寺社の中でも飛び抜けて豊富です。2,500株が植えられたあじさい、花菖蒲、梅、木瓜(ボケ)、桜、牡丹、藤、躑躅(ツツジ)、紅葉などはもとより、数えきれない程の花木がとても丁寧に設えられており、これだけ種類も質も多彩な場所はそうそうありません。

創建の正確な時期や経緯は不明ながら、風情のある伝説が残っています。有名な観音霊場である奈良の長谷寺の御本尊、十一面観音と鎌倉の長谷寺の十一面観音は同じ木から造られたという言い伝えです。

奈良の長谷寺を開いた徳道は、721年、楠の木から2体の十一面観音を造り、一体を奈良の長谷寺の御本尊とし、もう一体を祈請して海に流したところ15年後に三浦半島に流れ着き、それを安置して鎌倉の長谷寺を開いたといわれています。

長谷寺の魅力は行き帰りの行程、境内とすべてが鎌倉らしく、古都らしい見物の雰囲気を醸し出していることです。

江ノ電鎌倉駅から和田塚、由比ガ浜と潮風を感じながら江ノ電にゆられます。長谷駅で下車、参道へと入ると高浜虚子が句会を開いた昭和初期の建物でいまも営業する對僊閣などを見ながら山門へと至ります。

山門をくぐると山の高低をいかした立体的な伽藍、整えられた樹木や池が美しい長谷寺の全容が見えてきます。

境内を登って行くと、山の中腹に本堂があり、そこからは由比ガ浜の海を一望することができます。

境内には、阿弥陀堂、大黒堂、宝物館、地蔵堂、弁天堂、高浜虚子の句碑、高山樗牛の住居碑など多彩な見所が配置されており、見る者をあきさせません。

空海が刻んだと言い伝えられる弁財天像を祀る弁天堂の側には弁天窟があり、弁財天と十六童子がまつられています。洞窟の壁面を利用して彫られた十六童子は結構な大きさがあり、ロウソクの明かりを頼りに巡る洞窟見物はなかなかの迫力です。

宝物殿には重要文化財の十一面観音懸仏(じゅういちめんかんのんかみぼとけ)が所蔵されています。懸仏とは円鏡の上に仏像を表したもの。長谷寺には6面あり、鎌倉国宝館に1面、奈良国立博物館に2面、他の3面は長谷寺の宝物殿にあります。

いよいよ観音堂へと至ると建物は現代的なものの、高さ9メートル超の巨大な木造十一面観音に圧倒されます。室町時代の作と推定されるこの巨像は大仏様とはまた違った迫力で迫ってきます。

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