力餅家
目 次
力餅家
(ちからもちや)
創業300年、名物にして美味
恐らく鎌倉最古の老舗でしょう。創業300年の力餅家さん。名物の「権五郎力餅」は添加物不使用の本物の美味しさ。江戸、明治、大正、昭和、平成と永きに渡りこの地で愛されてきました。
エリア長谷・腰越
住 所鎌倉市坂ノ下18-18
TEL0467-22-0513
営業時間9:00〜18:00
休 み水、第3火
メニュー<参考>権五郎力餅(10個入り)650円、求肥力餅(9個入り)900円、福面まんじゅう(1個)165円
アクセス江ノ電「長谷駅」下車、徒歩8分
〒248-0021 神奈川県鎌倉市坂ノ下18−18
添加物は一切なしの力餅
鎌倉坂ノ下、御霊神社門前にある力餅家さんは、創業300年という老舗中の老舗。変わらず、広げず、同じ地で同じ味を守り続けた敬愛すべき存在です。筆者も含め鎌倉で育った人は、餅とあんこの素朴なお菓子といえば、赤福よりも力餅を身近に感じています。
店名ともなっている力餅は「権五郎力餅」といい、つきたての餅をこれまた出来たての餡でくるんだ絶品。添加物は一切使われておらず、本物の餅の歯ごたえと粘り、あんこの香りと甘さが記憶に残ります。
季節となるとヨモギの練り込んだ餅を使った力餅が並び、これを筆者は毎年楽しみにしています。「権五郎力餅」は添加物なしのため美味しさと引き換えに日持ちはせず「本日中にお召し上がり下さい」ということになります。最近は日持ちするように求肥を使った力餅があり、進物などには重宝します。
朝、力餅家の前を通るともち米を炊くなんともいえないいい香りが漂います。無性に食べたくなりますが、残念ながら開店時間前という記憶が何度もあります。
由来は鎌倉権五郎景政の手玉石、袂石
「権五郎力餅」の名の由来は、近くにある御霊神社の祭神である鎌倉権五郎景政にあります。鎌倉権五郎景政(1069-?)は鎌倉武士の鑑といわれた名将であり、源頼朝から遡ること3代前の河内源氏の当主、武神と崇められた源義家とともに後三年の役に活躍した逸話はあまりに有名です。
御霊神社の境内には、景政が手玉にとり、袂(たもと)に入れたと伝えられる「手玉石」(105kg)と「袂石」(60kg)が祀られています。これは、景政の人知を超えた霊才を表すものとされて崇められてきました。「権五郎力餅」はこのいい伝えから生まれた由緒正しき銘菓ということになります。
他のお菓子も美味しい
「権五郎力餅」があまりに有名なため、他のお菓子が目立ちませんが、カステラのような生地にアンコが入った福面まんじゅう(1個)165円や、夫婦饅頭も美味しいです。
あじさいポストも鎌倉の風物詩
力餅家にある円筒形のポストには寄り添うように大きな球のあじさいが咲きます。老舗の風情、真っ赤なポストと鮮やかなあじさいの組み合わせは鎌倉の風物詩となって「あじさいポスト」と呼ばれ、季節ともなると記念撮影をする散策の方をよくみかけます。