〈鎌倉十井〉星月ノ井
目 次
〈鎌倉十井〉星月の井
(〈かまくらじっせい〉ほしづきのい)
行基菩薩の伝説
昼でも星が輝いていたという名水。行基菩薩もここを訪れ、昭和初期まで名水として売られていました。
エリア長谷・腰越
住 所鎌倉市坂ノ下18-28(星の井寺門前)
アクセス江ノ電「長谷駅」もしくは「極楽寺駅」下車、徒歩10分
行基菩薩は天平年間(729-749)にこの地を訪れます。この井戸は昼でも星が輝いて見えたそうです。
それを聞いた行基が井戸をのぞいてみると、中に虚空蔵菩薩の姿が映っていました。行基はその菩薩を仏像に彫りお堂を建立しました。これが星の井寺です。その後、近所の女が誤って包丁を井戸に落とすと星は見えなくなったそうです。
井戸の水質はとてもよく、昭和初期まで旅人に飲料水として売られていたといわれています。
鎌倉十井についても触れておきます。江戸時代の中期以降になって鎌倉は観光地として賑わうようになりました。それに伴って「七切通し」「五名水」「十橋」などと名数によって名付けられることが増えました。その中のひとつが「鎌倉十井」です。じっせいと読みます。
鎌倉の山の地層は凝灰岩といわれ水が豊富に湧き出ます。筆者が子供の頃に住んでいた鎌倉の家にも井戸があり、その井戸をポンプでくみ上げ蛇口に繋いで生活水としていました。夏でも冷たくて美味しかったと記憶しています。断水でも我が家はいつも通り水が出ていました。
ただ、鎌倉全体としては水質はあまり良くなかったと言われています。そのため、美味しい水の出る井戸は大切にされ、「五名水」「十井」などと呼ばれたそうです。
鎌倉十井は以下のとおりです。