〈季節〉六月の鎌倉

あじさい、花菖蒲、ホタル、古道ハイキングと見所いっぱい

円覚寺仏殿背後の杉木立に咲くあじさい。

円覚寺仏殿背後の杉木立に咲くあじさい。

6月の鎌倉は、人気の紫陽花(あじさい)を目当てに多くの人々が訪れます。あじさいと同じ時期には花菖蒲(はなしょうぶ)も咲き、中旬頃には梅雨入りし、花木に雨露がよくあいます。鶴岡八幡宮妙本寺など古の寺社でみるホタルも見逃せません。

鎌倉、6月の花木

6月、鎌倉花木の花形は鎌倉のあじさい花菖蒲(はなしょうぶ)。特にあじさいは古来より三浦半島に自生していた日本原産の植物であり、遠く千年の昔、源頼朝から遡ること4代、源氏の棟梁として活躍した鎮守府将軍源頼義が鎌倉に拠点を構えた頃にも海岸沿いにあざやかなガクアジサイが咲いていたことでしょう。現在では、鎌倉観光を代表する名物の一つとなっています。

あじさいの名所についてはこちらをご覧ください→鎌倉のあじさい

明月院のあじさい。多くの誌面を飾ったカット。

明月院のあじさい。多くの誌面を飾ったカット。

あじさいと一緒にみられる花菖蒲(はなしょうぶ)は、菖蒲(あやめ)や杜若(かきつばた)を追うように咲き、明月院の菖蒲園や長谷寺光則寺浄妙寺東慶寺浄智寺海蔵寺など多くの古刹でみることができます。端正な葉に瑞々しい花が咲く姿は初夏にふさわしい爽やかさです。

他にも空木(うつぎ)や雪下(ゆきのした)、岩煙草(いわたばこ)など、気をつけてあるいていると街の様々なところに咲いています。また、5月中旬から6月下旬まで見頃を迎える鎌倉文学館薔薇(バラ)もおすすめ。「鎌倉文学館バラまつり」と題して198種243株の薔薇とともにイベントなども行われます。

海蔵寺の杜若(カキツバタ)。写真は園芸用の白杜若。

海蔵寺の杜若(カキツバタ)。写真は園芸用の白杜若。

6月の鎌倉、主な花木

白雲木 〔ハクウンボク/5月上旬〜6月上旬〕浄智寺、極楽寺

空木(卯木)〔ウツギ/5月中旬〜6月上旬〕海蔵寺、朝比奈切通し、光触寺、安国論寺

杜若 〔カキツバタ/5月中旬〜6月上旬〕海蔵寺、光触寺

薔薇 〔バラ/5月中旬~6月下旬〕鎌倉文学館

雪下 〔ユキノシタ/5月下旬〜6月上旬〕光明寺、浄智寺

小葉立浪〔コバノタツナミ/5月下旬〜6月上旬〕長谷寺、十二所神社

葉蘇 〔アカンサス/5月下旬〜6月中旬〕長谷寺

皐月 〔サツキ/5月下旬〜6月上旬〕光則寺、海蔵寺、建長寺、浄智寺、報国寺

花菖蒲〔ハナショウブ/6月初旬~中旬〕海蔵寺、長谷寺、浄妙寺、光則寺、明月院、東慶寺、浄智寺

京鹿子〔キョウガノコ/6月上旬〜7月上旬〕光則寺、海蔵寺

鎌倉のあじさい瑞泉寺、長谷寺、妙本寺、瑞泉寺、鎌倉宮、明月院、東慶寺、浄智寺

半夏生〔ハンゲショウ/6月中旬〜7月中旬〕海蔵寺、浄智寺、瑞泉寺

岩煙草〔イワタバコ/6月下旬~7月上旬〕銭洗弁財天、建長寺、東慶寺、浄智寺

明月院後庭園の花菖蒲。花菖蒲と紅葉の季節のみ公開され、多くの参拝者で賑わいます。

明月院後庭園の花菖蒲。花菖蒲と紅葉の季節のみ公開され、多くの参拝者で賑わいます。

古道歩き、サイクリング

6月10日前後、梅雨入り前は、若干暑いものの本格的な夏前最後のハイキングやサイクリングに適した季節です。

鎌倉(関東甲信越地方)の梅雨入り平年値は6月8日、明けは7月21日です。ちなみに過去5年間をみてみると、2014年は6月5日・7月21日、2013年は6月10日・7月6日、2012年は6月9日・7月25日、2011年は5月27日・7月9日、2010年は6月13日・7月17日でした。

昔ほどではないにせよ、いまでも鎌倉の自然を切り崩し開発は進んでいるのは罰当たりなことです。しかし、それでも鎌倉はまだまだ自然がいかされています。寺社はもちろんのこと、大昔の人々も通っただろうと想像しながら歩ける古道も魅力があります。

また、鎌倉の東西は約11km(腰越〜十二所)であり狭い道も多いですからレンタルサイクルが便利です。おすすめは地元の方が個人で運営している2店舗、ブリーズレンタサイクルレンタルサイクルサスケです。店名をクリックすれば詳細ページが表示されます。両店舗とも取材してきましたが、安心できてアットホーム、鎌倉のことも色々きけます。

主な古道、ハイキングコース

鎌倉は小さな山に三方を囲まれ自然豊かな古道が残っています。おすすめは、名越切通し朝比奈切通し天園ハイキングコース葛原岡・大仏ハイキングコースあたり。

鎌倉と逗子を繋ぐ名越切通しは13世紀前半に造られた古道。往時の姿をとどめる貴重な史跡であり、大切岸やまんだら堂(期間限定公開)などの史跡を包含しています。いかにも切通しという森々とした景観、鎌倉の海を望む展望もあり、5つ以上の出入口を持つ広いコースです。 ※名越切通しについて詳しくはこちら。

名越切通しの中でも最も狭隘な場所。第一切通しと呼ばれます。地震などにより徐々に狭くなったようです。現在は一人分程の広さです。

名越切通しの中でも最も狭隘な場所。第一切通しと呼ばれます。地震などにより徐々に狭くなったようです。現在は一人分程の広さです。

朝比奈切通しは鎌倉の十二所と横浜の金沢を繋ぎ、鎌倉を支えた要港である金沢港と鎌倉をつないだ中世の要道です。いまでも当時の風情を残した素晴らしい古道。鎌倉を代表する河川、滑川の源流でありきれいな水が沢を流れる様には癒されます。 ※朝比奈切通しについて詳しくはこちら。

天園ハイキングコースは、鶴岡八幡宮の後方に広がり、北鎌倉方面と瑞泉寺付近を繋ぎます。鎌倉最高点の大平山(159.2m)を持ち、十王岩、百八やぐら群、獅子舞など見所も豊富。山中にゴルフクラブがありこれだけが残念ではありますが、その他は無粋な近代建築を見ずに過ごせます。茶屋が2件あるのもよしです。
※天園ハイキングコースについて詳しくはこちら。

葛原岡・大仏ハイキングコースは、北鎌倉の浄智寺裏から源氏山を抜けて長谷の大仏を繋ぎます。北鎌倉からいくと大仏に出る少し前で大仏切通しに入ることができ、火の見下に出られます。
※葛原岡・大仏ハイキングコースついて詳しくはこちら。

最も手軽なのは距離の短い化粧坂切通し及び源氏山です。葛原岡・大仏ハイキングコースにも繋がっています。源氏山は、源頼朝の祖先、武の神として崇められている源義家ゆかりの場所でもあります。 ※化粧坂切通しについてはこちら。

鎌倉のホタル

低く峻険な山に囲まれた鎌倉は川が多く流れています。開発により自然の風情は随分失われたものの、山が近い鎌倉は少し歩けば6月〜7月にホタルがみられます。

鶴岡八幡宮、柳原神池のホタル。6月に入ると飛び始めます。数は少ないものの、場所が場所だけにかえって幽玄さを増すというものです。

鶴岡八幡宮、柳原神池のホタル。6月に入ると飛び始めます。放生されるホタル祭り前なので数は少ないものの、場所が場所だけにかえって幽玄さを感じます。人が少ないのもよいです。

鎌倉を代表する観光名所、鶴岡八幡宮でもみられます。若宮と白幡神社の間にある柳原神池に放生会によりホタルが放たれており、平安時代の由比若宮創建から数えて約千年という歴史はホタルの光に趣を与えてくれます。

寺社では他に妙本寺が有名です。祇園山、衣張山などに囲まれ森々とした妙本寺にもホタルが放たれており、日蓮宗最古寺院の一つであり全国に14ある日蓮ゆかりの霊跡寺院でもある妙本寺でみるホタルは格別です。

大町の黄金やぐら周辺、二階堂の胡桃川などでもホタルはみられます。少し散策の時間をのばして鎌倉でホタル見物はいかがでしょうか。

6月の鎌倉、花木のフォトギャラリー

古道とハイキングコースのフォトギャラリー

※写真キャプションの地図番号は詳細ページの地図に対応したものです。

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