目 次
〈梅〉鎌倉 梅見物 金沢街道
足利氏の菩提寺、浄妙寺をメインに金沢街道周辺の名所をめぐる
横大路と小町大路がぶつかる宝戒寺に始まり、金沢街道を下り、荏柄天神社、報国寺、浄妙寺を見物します。脚に自信のある方はそのまま朝比奈峠に向かい、十二所果樹園まで行けば、丘陵地帯に咲く400本もの梅を見ることができます。
- 見所
- 段葛、宝戒寺(梅)、荏柄天神社(梅)、報国寺(梅)、浄妙寺(梅)、十二所果樹園
- 道々の名所/寄り道処
- 源頼朝の墓、大倉幕府跡、大塔宮(鎌倉宮)、文覚上人屋敷跡、勝長寿院跡、犬懸橋、〈以下浄妙寺~十二所果樹園の間〉足利公方邸跡、明王院、大慈寺跡、大江広元屋敷跡、光触寺、梶原景時太刀洗の水、十二所神社
- 順路
- 鎌倉駅~(段葛)~宝戒寺~荏柄天神社~(田楽辻子のみち)~報国寺~浄妙寺~十二所神社
- 各見所間の距離と所要時間の目安
- 鎌倉駅~宝戒寺:1km/12分
宝戒寺~荏柄天神社:700m/9分
荏柄天神社~(田楽辻子のみち)~報国寺:1.2km/15分
報国寺~浄妙寺:350m/4分
※ここで引き返す場合、徒歩なら来た道か金沢街道を。バスなら金沢街道沿い報国寺入口交差点にバス停「浄明寺」を利用。
※バスで十二所果樹園へ向かう場合は、金沢街道沿い浄妙寺参道に入る所にあるバス停「浄明寺」から鎌23・鎌倉霊園正門前太刀洗行きもしくは、鎌24・金沢八景駅行きを利用し「十二所神社」で降ります。
浄妙寺~十二所果樹園:2.8km/35分 - バス路線図と時刻表
- 京急バス路線図
「浄明寺」バス停時刻表「鎌倉駅ゆき」
鎌倉霊園正門前太刀洗 金沢八景ゆき(十二所果樹園)
「十二所神社」バス停時刻表「鎌倉駅ゆき」
「十二所神社」バス停時刻表金沢八景ゆき
※以下の名称をクリックすると基本的に梅の見所詳細が表示され、本文内のリンクは各所の基本詳細情報となっています。
(移動距離約3.3km/十二所果樹園まで行く場合は約6km)
(徒歩/グーグルマップによる)
要港・六浦港と鎌倉を結んだ六浦道、足利氏にゆかりの深い浄明寺地域
かつて鎌倉を支えた要港・六浦港と鎌倉の中心を結んだ六浦道(現在の金沢街道)沿いの名所を梅をメインに歩きます。
往時は塩などを運ぶ人々が多く行き交い、浄妙寺のあたりにはかつて源頼朝に近い血統を持つ名門足利義兼の邸があり、足利尊氏もまたそこに住みました。室町時代には、足利公方邸となりその場所から関八州に陸奥、出羽を加えた広大な地域を治めました。
宝戒寺の枝垂梅
鎌倉駅を降りたら、段葛を通って鶴岡八幡宮前交差点に出たら三ノ鳥居を横切る横大路を右に曲がります。200m余り歩くと正面に宝戒寺が見えてきます。宝戒寺は参道から門を入って本堂前まで手前が桜並木、門を入った奥が梅並木となっています。ちなみに萩の季節(9月上旬~下旬)、境内は萩に埋めつくされます。
宝戒寺最大の見所は何と言っても本堂前の枝垂梅。鎌倉有数の大きさと美しさはまるで滝のようです。もうひとつは“想いのまま”という梅。白梅の木に気まぐれに桃色の花弁がつきます。
静かな鎌倉の裏道を歩き、荏柄天神社へ
宝戒寺を出たら右手に進むと道の対岸には鎌倉十橋の一つ、筋替橋の石碑が見えてきますから、石碑の手前にある横断歩道を渡るとすぐに左に曲がります。横浜国立大学附属鎌倉小・中学校の門にぶつかったところを右手に進みます。次を学校に沿うように左に曲り、しばらくすると「西御門」と書かれた石碑が見えてきますのでその右手にある細い路地に入ります。
路地を真っすぐ100mほど進むと源頼朝の墓の前に出てきます。さらに真っすぐ270m進むと荏柄天神社の参道に出ます。大木が二本交差するように屹立して門のようになっています。
拝殿前右側に見事な梅があります。その中の寒紅梅という木は、鎌倉一早咲きといわれ1月20日頃から咲きます。荏柄天神社を出たら参道を直進します。参道にも梅が咲いています。230mほど歩くと金沢街道に出ますから、右手、鎌倉駅方向に60mほど戻ります。
田楽辻子のみちから報国寺
大御堂橋の信号がありますので、その横断歩道を渡り、村木米穀店脇の道に入るとすぐに大御堂橋が見えてきます。橋を渡ると田楽辻子のみちの立札があり、それに従い二股を左に進みます。ちなみに大御堂とは源頼朝が父義朝の菩提を弔うために建てた大寺院・勝長寿院のことです。現在は住宅地となり勝長寿院跡の小さな石碑に往時を偲ぶのみです。
後は道沿いに750m程歩くと報国寺の門前に出ます。後半途中から細い道になり、とても風情があります。細い道に入る所が小さな十字路になっていますが、構わずに真っすぐに細い道に入ってください。
報国寺は竹の寺として有名な寺。確かに大きく美しい孟宗竹の竹林は鎌倉一のものと思います。しかし、梅もまた見事です。竹の直線美と風情を競うように丸く剪定された梅はぜひ見ていただきたい名品です。梅は竹の庭に入る前の境内にあります。
足利氏の菩提寺・浄妙寺
報国寺を出たら門前に二つの道があります。来た道は左手、これからは右手にある報国寺前を真っすぐに抜ける道を金沢街道に向かってやや下っていきます。100m程歩くて金沢街道に出たら信号を渡って右に進みます。80m程でゆったり右に曲がる辺りに少し開けたところがあります。そこを左に入ると浄妙寺参道です。
桜が植えられた参道を進むと足利氏の菩提寺、浄妙寺が見えてきます。門前左手に咲く梅を見ながら中に入ると境内は大きく開けており、先に立派な屋根の本堂を望みつつ気品と高い格調のある梅が咲いています。お茶が飲める喜泉庵の庭にも梅があります。
脚に自信の方は十二所果樹園へ
浄妙寺を出たらここで岐れ道です。そろそろ帰ろうかという場合には、徒歩の帰り道は概ねふたつ。来た道を帰るか、金沢街道を歩くかです。
時間と体力に余裕があれば、2.8km先の十二所果樹園に向かいます。金沢街道を下り、明石橋交差点を左手に進み、ここから約1.5km。「十二所神社」バスが見えたら右の道に入って行きます。看板がありますから確認してください。
しばらく歩くと山に入って行きます。梶原景時太刀洗水をすぎるとすぐに道が二つにわかれます。左が朝比奈切通し、右が十二所果樹園へと向かう道です。右に進んで山道を登っていくと、丘陵地帯に400本もの梅が咲く十二所果樹園があります。
浄妙寺からバスで行く場合には、金沢街道沿い浄妙寺参道に入る所にあるバス停「浄明寺」から鎌23「鎌倉霊園正門前太刀洗行き」もしくは、鎌24「金沢八景駅行き」に乗車し「十二所神社」バス停で降ります。ひとつ手前が「十二所」というバス停ですから間違えて降りないよう注意してください。
帰路はおそらくバスをご利用でしょう。JR・江ノ電「鎌倉駅」もしくは京急「金沢八景駅」に戻るかです。時刻表は上記、「バス路線図と時刻表」にリンクがあります。